「欲望に優先順位をつけよう」という話を聞いていて、ふと、ネパール人のツアーガイドさんのことを思い出しました。
彼は、望みに折り合いをつけたのでしょうか。
ネパール チトワン国立公園
チトワン国立公園には、カトマンズから、パッケージツアーで行きました。
ホテルは、写真と料金で決めた、中級ホテルです。
ホテルでのアクティビティのリストも見ましたが、よさめでした。
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チトワンの予約したホテルに到着すると、まあまあのホテルで、中級だな~といった感じでした。
フロントで、食事やアクティビティの説明を受けてから、チェックイン。
初日の夕方は、ガイドさんとウォーキングツアーです。
ツアーガイドの青年
ホテルのツアーガイド
チトワン国立公園のホテルは、通常、ホテル専属のツアーガイドを雇っています。
ガイドになるには、知識が必要で、試験を受けて、国からライセンスをもらいます。
公式ガイドとして働けるのは、ライセンスをもっているひとだけです。
私のホテルの専属ツアーガイドは、20歳くらいの青年でした。
彼は、結婚していて、子供が生まれたばかりだそうです。
チトワンへは、オフシーズンの終わりころに行きましたが、オフシーズンとはいえ、お客さんは、パラパラ来ています。
もちろん、私もそのうちのひとり。
ひとり旅だったので、ガイドさんも、色々オフレコ情報を教えてくれます。(愚痴も含まれる)
私のガイドさんは、子供が生まれたばかりなので、休みがほしいと、ホテルに申し出たそうですが、「ホテルに出勤しないなら、給料はあげない」と言われたそうです。
お客さんもまばらな時期だったので、休んでも支障ないと思うのですが、ダメとのことです。
しかも、子供ができたので、給料上げてほしいと頼んだら、お客が少ないので、それもダメと言われたそうです。
かなり、腐っていました。
そのガイドさんは、ジャングル大好きで、ツアーガイドの仕事は好きなのだけど、その仕事では、稼げないそうです。
4つ星か5つ星ホテルに移れれば、もっと給料もらえるのにな~と言っていました。
チトワンの高級リゾートホテル
どういう人が、チトワンの高級ホテルに泊まるのでしょうか。
そもそも高級ホテルは、町中にはありません。
リゾートホテルは、川のほとりなど、周りに何もない、眺めのよいところに、ポツンと建っています。
食事つきのオールインクルーシブになっていて、欧米の団体さんなどが泊まります。
各種アクティビティは、送迎つきだし、食事は含まれているので、リッチにホテルライフを楽しめます。
現地の物価を考えれば、「安い」ということでしょう。
従業員から見れば、上手くサービスすれば、チップがもらえる可能性があります。
そういったホテルの場合、ガイドは、知識や人柄も大切ですが、英語力も必要になってきます。
豊富な知識とせまい心
私のガイドさんは、知識的にはすごいのだけど、英語は、もうひとつでした。
基本の動詞が間違っているので、推測で意味はわかるのだけど、かなり変な英語です。
彼がジャングルの知識のあるのは、10代のときに、象つかいをやっていたからです。
ジャングルの象や動物に大変に、詳しかったです。
ガイドさんの知識は、だたの知識ではなく、好き、且つ、実地で習得した知識です。
しかし、10代のころから働いたので、学歴では劣っています。
学校で英語を学んだことがなく、かなり自己流でした。
高級ホテルで働くとなると、英語力が足りない分、ちょっと採用のハードルが高くなります。
お客に愚痴っていたので、マナーなども劣っているかもしれません。
私のガイドさんは、お金がほしいので、個人的な観光ツアーの営業をかけてきました。
彼が、稼ぎたいのはわかりますが、ホテルのアクティビティ以外で、行きたいところもなかったので、断りました。
その上「ホテルにいくら払ってるんだ!」とか聞かれたために、こちらも気を悪くしました。
その他にも、私の持っている水中カメラを売ってほしいとか、まあ、色々言ってきて、いい人なんだけど、お客がどう感じるか、推測できないようでした。
たぶん、若いせいと、マナーを教えてくれる人が、いなかったせいだと思います。
中東への出稼ぎ
ネパール人は、中東の産油国に出稼ぎに行っている人も多いです。
ガイドさんも出稼ぎに行きたいと言っていました。
レストランのようなところや、住み込みで働くと、結構稼げるからです。
でも、ジャングルを愛する青年が、家族と離れて、砂漠の異国で暮らすのは、むずかしいと思いました。
まとめ
ネパールの田舎に住む若いツアーガイドさん。
若さゆえか、夢を見てしまっていました。
現実的に、将来を考えて、英語を勉強して、高級ホテルに転職できるとよいのですが・・・
彼は、今頃どうしているのでしょう。
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