左手首の橈骨遠位端骨折から、約1ヶ月半後、リハビリを開始しました。
骨は、完全につながってはいませんでしたが、リハビリ開始が遅れると、手の機能回復も遅れるため、リハビリを始めることになりました。
長期間のギプス固定で、指の変形にも不安がありました。
病院でのリハビリと共に、自宅での自主リハビリも含めて、体験談を書きました。
同じ体験をされている方のお役に立てればと思います。
これまでの経過
このブログの続き
橈骨遠位端骨折リハビリ日記
シーネ固定をはずして1週間
日中は、シーネ固定(添え木状のギプス)をはずして、手を動かし始めました。
夜は、シーネをつけて、自分で包帯を巻いて寝ていました。
1週間後、まだ、骨は、完全にくっついてはいませんでしたが、リハビリを開始しました。
あまり、リハビリが遅くなると、さらに手首が固まってしまい、回復に時間がかかります。
夜間のシーネ固定も、1週間で、なくしました。
寝ている間に、変な向きに、手をひねらないかと心配でしたが、医師の指示で、固定は終了です。
リハビリをしていないときに、サポーターはした方がよいのかと、先生に尋ねましたが、「しないでください」とのこと。
サポーターをすると、手の動きに制限が出るので、サポーターは、基本、つけませんでした。
手の周辺の神経が痛い
固定具をはずして、手を動かすと、本当に痛いです。
手を動かさなくても、何かに触ったり、振動のようなものを受けるだけでも、痛いです。
外を歩くときは、怖いので、左手を前にもってきて、プラプラしないようにしていました。
手周辺には、細かい神経が沢山集まっているので、断続的に、ピリピリと痛みます。
最初は、1日中痛く、時々、痛さを何も感じなくなります。
本来は、何も感じないのが普通ですが、痛みの感触がなくなると、麻痺したような気分になり、どっと不安が押し寄せます。
この神経の痛みが徐々に減るのに、1~2ヶ月かかりました。
完全になくなるのは、1年くらいでしょうか。個人差があります。
病院でのリハビリとは
リハビリルーム
病院のリハビリルームには、各種、リハビリ用器具が置いてあります。
骨折以外にも様々な、症状で、リハビリに来ている人たちがいます。
手の骨折の場合は、まずは、お湯で、10分くらい、肘から下を温めます。
隣で、小学生くらいの子が、足を温めていましたが、子供は、大抵、骨折だと思います。
温めている間はすることがないので、隣の人をチラ見したりしていますが、心の中は、シュンとしています。
お互い、大変だな~という気持ちで、周りの人をぼんやり見ていました。
握力・筋力がガタ落ち
患部を温めた後は、握力と、手を動かせる範囲の、測定です。
握力・筋力、可動域が、ガタ落ちでした。測定結果は、数値として記録します。
測定後、理学療法士の先生に、手首を動かしてもらいます。
これが、痛い!
思わず、「痛~い」と言いましたが、本当に痛いです。
自分でやると手加減するので、可動域をあげるには、プロの助けがいります。
もちろん、先生は、上手に行ってくれるのですが、かなり、辛い。
しかし、リハビリ開始から、2週間くらいが、一番、可動域が上がる時期だそうなので、なんとかその時期に手を動かして、可動域をあげねばなりません。
手首が腫れは半年くらい?
理学療法士に、「腫れてますね」と言われて、これは腫れなのかな~と思いました。
腫れは、半年くらい続くそうです。
「え~、そんなに長いの?!」まだ、始まったばかりなのに、道は長いのです。
そもそも、手と手首の腫れというより、血管が見えない、ぷよぷよの手になっています。
人の手には、見えないというか・・・
長く手を動かさないと、筋力が落ち、骨や腱も埋もれて、お肉の固まりのようになります。
手の甲の血管が、透けて見えてくるまでに、1~2週間くらいかかりました。
ギプスのせいで、手首周辺のうぶ毛も抜け落ちて、変な感じです。
こぶしの骨も、肉に埋もれて見えません。
つまり、骨のデコボコがなく、4本の指の付け根の骨が、一直線になっています。
骨の形と、腱の筋が、少しずつ見えてくるのに、3~4週間かかりました。
自宅でのリハビリ 宿題あり
ストレッチ
病院でのリハビリの後は、自宅用に宿題が出されます。
自分でストレッチして、可動域を上げます。
まだ、骨が完全に固まっていないので、最初は、前後の動きです。
手をそらす、曲げるをやります。
痛い、もうこれ以上いかない、というところまでやって、可動域を伸ばします。
少し動くようになっても、1時間くらいすると、また、すぐに固まってしまうので、一日中、そらす、曲げるをやっていました。
握力UPスーパーボール回し
骨が完全ではないので、重いものは、持ってはいけないと、注意を受けました。
今のところ、ドライヤーは「重い」ほうです。
ストレッチの他にすることは、スーパーボールのようなゴムボールを2個持って、骨折した手で、くるくる回すというものです。
くるみでもよいとのことですが、スーパーボールやくるみが、家にある人は、あまりいません。
リハビリグッズは、病院で、借りました。
スーパーボール2個回しは、最初、回そうとすると、ボールがすぐに落ちますが、練習すると、だんだんに回せるようになってきます。
しかし、すぐに手が疲れるので、疲れるまでやって、お休みです。
何をやってもすぐに疲れて、筋力の落ち方は、ハンパなしと感じます。
ボールころがし
ボールころがしは、10cmくらいの発砲スチロールの、ボールを転がす運動です。
置いたボールに手のひらを乗せて、前後にころがします。
前後にころがすと、手首の曲げ伸ばしと、ストレッチができます。
病院で借りたリハビリグッズで、自宅でも、リハビリを始めました。
物を持って負荷をかける
手首の前後の動きが、少しできたら、左右のストレッチの動きをします。
その後、手で物を持つ練習をします。徐々に、重量のあるものに変えます。
重量があるものとは:
最初は、350mlくらいの缶コーヒーをもって、前後に曲げ伸ばしをします。
缶コーヒーに耐えられるようになったら、500mlのペットボトルに変えます。
これも、すぐに疲れるので「もうダメだ」というところまでやって、時間を置いて、また、やります。
ギプス等の固定具がなくなって、腕を動かせるようになったのは、うれしいのですが、リハビリは、「1歩進んで、2歩下がる」という状態です。
なかなか進まず、メンタル的にも大変でした。
しかし、手を使えるようにするのは、自分次第なので、毎日、続けました。
日常生活で手を使い始める
筋力の衰えと痛み
ギプス固定をしていた頃は、固定・圧迫されていたので、手首の痛みは、ありませんでした。
腕を上げると、血液が手の先から、身体の方へ戻ってくるのを、感じていました。
固定されている間に、使われない筋肉が弱まり、血管内の血だけが、動いていたとのだと思います。
手を動かし始めると、手の甲に埋もれた血管が、だんだんに、見えるようになります。
感覚なく、手に力が入らず
リハビリを始め、少しづつ、日常生活で、手を使い始めました。
左手を使い始めてわかったのは、感覚がない、手に力が入らない、ということでした。
髪の毛を両手で洗おうとしても、指先に感触がありません。
シャンプーで、地肌をこすろうとしても、なかなか、洗うことができないのです。
指先の感触が戻るまでに、1ヶ月くらい、かかりました。
簡単なことができない
骨折した手を使い始めましたが、最初は、簡単なことができませんでした。
筋力がないので、お皿1枚も、重いです!
例えば、菓子パンの袋とか、おしぼりの袋とか、ビニールに入ったものを、開けることができません。両手で、袋を開けようとするのですが、左手でしっかりつかめないので、開けることができず、ストレスがたまります。
さらに、ひねる運動が入ると、痛みもでます。
リハビリ2ヶ月目
パソコン操作にトライ
リハビリを始めて、1ヶ月くらいすると、手を、左右に動かせるようになってきました。
そこで、最初に取り組んだのは、パソコンのマウスを使うことでした。
まだ、手のひらを下に向けることは、できません。
しかし、早く、両手で、パソコンを使えるようになりたかったので、操作に取り組みました。
右利きですが、思うところがあって、怪我の以前から、左手でマウスを使っていました。
また、マウスを左手使えるように練習です。
キーボードも左手を使って、少しづつ打つようにしました。(最初は1本指)
手のひらが下に向かず、左の指が自由に動かせないと、パソコン操作は、かなりきびしいです。
スポーツクラブで自主トレ
家にこもっているのも苦痛なので、スポーツクラブに通い始めました。
フィットネスクラブでは、以下のことをやりました。
・・・ストレッチルームで、手のストレッチをやる。
・・・小型のバーベルや、握力を鍛える器具で、筋トレを行う。
・・・立ってできる運動をやる。手をついて重量をかけるものは、できません。
・・・プールで、ウォーキングをする。手で水をかく動作は不可です。
・・・お風呂で、ストレッチや、グーパー運動をやる。水圧の抵抗を利用。
普段は、サポーターはつけていませんでしたが、スポーツクラブのスタジオレッスンでは、手首が動かないように、サポーターをしていました。
誤って、急激に動かすと、相当痛いからです。
サポーターをしていると、運動中の、手首の冷えも、予防できます。
左手首の冷えは、かなり、長期間続きます。(1年以上)
やりたいことをやってみよう
自宅で単純なトレーニングをしていると、なかなか進まず、気持ちが沈みます。
リハビリ開始後、1ヶ月以上経っても、朝起きると、手がギプスの形に固まっています。
毎日、寝起きに、30分以上のストレッチは、かかせません。
朝、手を少し動かせるようになっても、2時間ほどで、また、元に戻ってしまいます。
私は、リハビリ開始から1ヶ月後くらいのとき、もう、やりたくないと思ってしまいました。
いくら頑張っても、元に、戻るからです。
長い目で見れば、進捗はあるのですが、かなり、苦痛になっていました。
「自分のため」とはわかっているものの、やってもやっても元に戻るのは、辛いです。
リハビリをやめたいと思ったときに、ふと、思い立ち、自分がやりたいことをやることにしました。
やらねばならぬトレーニングより、やりたいことやろうと、考えたわけです。
リハビリでくじけそうになったら、「これがやりたい」と思うものを見つけましょう。
料理でも、ゲームでも、運動でも、なんでもよいです。
これができたら、楽しいなということをやりながら、トレーニングに変えるわけです。
そうすると、辛いリハビリも乗り越えられるような気がします。
リハビリ3ヶ月目
リハビリ3ヶ月目になると、だいぶ、左手が動かせるようになってきました。
前後・左右の可動域も大きくなりました。
朝起きた後のストレッチの時間も、30分から20分、というように短くなりました。
手首がギプスの形に固まっていても、より、短い時間で、前のところまで戻る、ということです。
手を床や壁につくと、怪我以前のようにはなっていないとわかりますが、だいぶ、進歩しました。
1㎏くらいのものが持てるようになるのは、格段の進歩です。
左手で、水の入ったお鍋が持てると、日常生活に、不自由がなくなってきます。
左手が使えるって、便利だな~。これは、時が経っても思うことです。
整形外科の通院終了
橈骨遠位端骨折をしてから、4ヶ月近くが経ち、通院が終了しました。
骨の内側は、完全には、くっついていないようです。
中に、空洞ができていて、埋まらないかもしれない、とのことでした。
空洞が埋まるかどうかは、何年かしないとわからないようです。
手術で、プレートを入れた場合も、骨にねじ穴ができるので、患部に何の損傷もない、ということはないそうです。
リハビリを始めてから、2ヶ月半くらい経っていました。
だいぶ手も動くようになって、これ以上の回復は、無理のようです。
可動域は、骨折前の9割くらいでしょうか。
もっと時間が経てば、骨もしっかりし、手を使うことで、筋力も上がるはずです。
整形外科の先生は、そもそも、元通りには、戻らないと思っていたようです。
折れた、左手首の骨は、少しずれて、くっついています。
当初、骨がつかないかもしれない、と言われていたので、ギプス固定だけで、自然につながったのは、「よしとする」ということです。
手首骨折リハビリ日記 まとめ
左の橈骨遠位端骨折から、4ヶ月近くが経ちました。
手の変形なども心配されましたが、固定具だけで、骨はつながりました。
その後も、痛みやこわばりは長く残りましたが、日常生活ができるようになったのは、本当に喜ばしいことです。
コメント
ブログありがとうございます。1月に橈骨骨折をし、現在リハビリ中ですが、なかなか可動域が広がらず、ちょっと焦りぎみで、このブログを見つけました。自分と同じ体験をした方のお話を聞けるのは心強いです。頑張ります❗
リハビリは、初期のうちに可動域を広げるのが大切と言われました。しかし、すぐに元に戻ってしまうので、心が折れます。
辛くなっても、諦めず、根気よく続けることで、日常生活を取り戻せます。がんばってください。