NHKドラマ「テンペスト」アンコール あらすじとレビュー

映画/ドラマ

NHKドラマの「テンペスト」がアンコール放送されました。<11/8加筆>

琉球王国末期の王宮を舞台にしたドラマです。

1~2回は、10月31日に放送され、3~6回は、11月3日に放映されました。

11月7日に、ラスト4回分が、放送されました。

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あらすじ

10/31放送分

琉球王国末期に生まれた主人公「真鶴」は、聡明な少女。

女性には、学問が必要ないとされた時代に、隠れて学問を学びます。

成長した真鶴は、性を偽り、宦官(去勢された男性)として、王に仕えることになります。

 

秘密をかかえたまま、役人として、手腕を発揮する真鶴(孫寧温)。

王の信頼を得て、新たに、琉球の大奥の財政状況を調べる、という任務を与えられます。

 

しかし、「孫寧温」が女であるという秘密を、王の姉・聞得大君に見抜かれてしまい、聞得大君に利用されることに。

孫寧温は、聞得大君の卑劣な要求を拒もうとしますが、兄を人質に取られ、苦悩します。

 

11/3放送分

孫寧温(真鶴)は、聞得大君の理不尽な要求に耐え切れず、海に飛び込みますが、薩摩の役人、浅倉に助けられ、反撃に出ます。

一度は廃妃になった王妃の協力も得て、聞得大君を王宮から追放します。

 

孫寧温は、琉球がアヘン密売の中継地となり、薩摩に流れていることを知ります。

アヘンが王家の女性たちが暮らす、御内原に隠され、運ばれていることを突き止め、密売にかかわったものたちに、裁きを下します。

 

孫寧温は、功績を認められ昇進しますが、王宮で、近代化を説いて、一部の重臣から、反感を買います。

また、清国の宦官・徐丁垓に、女であることを見抜かれ、脅しをかけられます。

 

孫寧温を信頼していた王が、急死し、若い王子が王位に着くことになりました。

この機に乗じて、徐丁垓は、琉球を支配しようとしますが、孫寧温は、それを阻止すべく、徐丁垓を殺害します。

 

徐丁垓に謀られ、殺害の件で、孫寧温は、八重山に流刑になります。

そこで、外交の手腕を発揮しますが、孫寧温を逆恨みするもののせいで、豚小屋に入れられ、マラリアにかかってしまいます。

 

そんなとき、孫寧温を救ったのが、アヘンの売買にかかわった罪で、八重山に流された、女官でした。

孫寧温は、女性・真鶴に戻り、3年ののち、機織り技術を身に着け、琉球本土に戻る道筋を作ります。

 

テンペスト(第1巻)池上永一原作

 

11/7放送分

真鶴(孫寧温)は、八重山の役人の推薦で、御内原(大奥のようなところ)に呼ばれます。

そこには、若い女性が集められ、側室になるための試験が。

真鶴は、孫寧温に戻れないことに苦慮しながらも、側室に選ばれます。

 

アメリカから、ペリー提督がやってきて、開国をせまります。

王の計らいもあり、真鶴は、孫寧温として、外交を任されることに。

孫寧温の交渉により、ペリーの艦隊は、一度は琉球を離れ、日本国を目指します。

 

琉球王府は、薩摩と、日本に開国を迫る列強の間に挟まれて、揺れ動きます。

孫寧温は、琉球を独立国家として守るため、力をつくしますが、妊娠して、政治の場を去ることになります。

 

やがて真鶴は、王子を生みますが、祝いの席で、前王の姉・聞得大君に惑わされた真鶴の兄が、孫寧温が真鶴であることを防露します。

真鶴と薩摩の役人・朝倉が、かつて、相思相愛であったことを知った王は、真鶴を守ることなく、突き放します。

しかし、真鶴は、もう一人の側室に助けられ、王子と共に、逃げ延びます。

 

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職務に身を捧げる

男性として生き、職務に身をささげようとする主人公ですが、数々の障がいが立ちはだかります。

・・・職務を遂行するには、政治的に反対する者たちが必ずいること。

・・・宦官という、男性でも女性でもない特殊な立場が、同僚の反感を呼ぶこと。

・・・常に秘密をあばかれることを、恐れていること。

・・・女性としての心が、慕う・慕われる男性を作ってしまうこと。

・・・私利私欲のために、孫寧温を操ろうとするものがいること。

・・・兄を守ろうとするやさしさが、裏目に出てしまうこと。

・・・裁きを加えたものに、逆恨みされること。

 

しかし、能力を認め、活躍の場を与えようとする王様がいます。

ひそかに思いを寄せ、助けてくれる薩摩藩の武士や、仲間の役人もいます。

主人公を信頼する民や、娘にように接する元女官にも支えられ、真鶴は、琉球のために、再起を目ざします。

 

主人公を演じているのは、仲間由紀恵さんです。

美しい男性という感じですが、秘密をかかえ、苦悩する姿を、見事に演じていると思います。

声が低めなので、宦官という役柄にも合っています。

 

揺れ動く幕末の沖縄

時代が幕末ということもあり、薩摩と琉球王朝の微妙な関係が描かれています。

キリシタンや外国人を排除しようとしたり、日本にやってくる外国船をけん制したり。

琉球は、本土とは別の問題をかかえています。

 

琉球王朝を守りたいと画策する、主人公の葛藤は続きます。

政治的にも、将来を見据えた主人公は、活路を見出すことはできるのでしょうか。

 

 

ドラマの中には、焼失してしまった首里城の映像もあります。

首里城の火災から1年になるので、お城の映像を見ながら、ドラマとしても楽しめると思います。

 

最終回を終えて

歴史をベースにした、奇想天外のストーリー。

最終回では、日本が開国し、明治政府ができ、薩摩が鹿児島県になったことが語られています。

真鶴の息子は、彼女の授けた教育により、母と同じ、役人の道をたどります。

 

しかし、琉球は、独立を保つことはできずに、沖縄県となります。

ここに、400年以上続いた琉球王朝は滅びます。

 

だだの母子となった真鶴と息子。

政治の世界から離れて、母子は、幸せをつかめるのでしょうか。

そんなことを思いながら、エンディングを迎えました。

NHKドラマ「テンペスト」

 

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